低温蒸しの効果

一般的に、ホウレンソウなどの熱に弱い野菜を蒸すとクタクタになるのが普通です。ところが、低温蒸しの方法で調理すると、驚くほどシャキシャキに仕上がります。実際にこの方法で実験をしてみたところ、ホウレンソウを1分、2分、30分そして2時間と蒸していくと、蒸せば蒸すほどシャキシャキになっていくのです。

そして2時間蒸したものは、生よりもなんと3倍もシャキシャキになっていたのです。しかも、普通に蒸したホウレンソウと比べてみると、ビタミンCは2.2倍になっています。この効果の秘密はその温度にあります。

低温蒸しの調理方法では、だいたい70度前後の温度となりますが、この温度は野菜の細胞膜は壊しますが細胞壁は壊さないという絶妙な温度なのです。これによって細胞壁が緻密になっていくため、野菜はシャキシャキとした歯ごたえになっていくわけなのです。

この低温蒸し調理方法のポイントは２つあります。ひとつは弱火で行なうことであり、もうひとつはすき間を作ることです。この方法は蒸し器があればもちろん出来ますし、蒸し器が無い場合でも家庭にある調理器具を使って簡単に行なうことが出来ます。

また、この低温蒸し調理は、通常の加熱調理と同等の殺菌効果があるという研究データが報告されています。ただし、人参や芋類などの根菜には向いていませんので注意して下さい。